この記事の要点

結論:最新の課金体系と修正コードはちゃんと確認しよう。わたしがわるいですまる。

  • クラウドサービスの課金体系は、常に最新の状態を自力で確認すること
  • AIによる実装は、最終的に自分でコードを確認すること
  • Field Mask と SKU の対応を確認し、高額な項目が混ざっていないかを見ること
  • コストアラートや使用量監視を入れて、異常を早く検知すること

この2点でしかない。

何をやらかしたのか

Google Maps APIを組み合わせたWebアプリにおいて、店舗情報のバルク取得(約3,000件)を行った。その際、取得項目(Field Mask)の精査を怠り、意図せずEnterpriseランクのデータをリクエストし続けた結果、課金額が1万円を超えて跳ね上がってしまった。

経緯:半端な古い「常識」が思考を停止させた

設計段階では、複数のAIエージェントと課金サイジングを検討していた。しかし、私自身も、そして頼りにしていたAIも、「Google Maps APIには月200ドルの無料枠が一律で存在する」という古い知識に基づいたまま議論を進めてしまった。

現在のGoogle Maps Platform(特に2025年3月以降)は、取得する項目の種類(SKU)によって「Pro」や「Enterprise」とランクが分かれ、それぞれに個別の無料枠が設定される体系へと複雑化している。

しかし、悲劇はUIの改善中に起きた。詳細画面に「店舗の営業時間」を表示する修正を加えた際、AIが気を利かせすぎて、分析用の関数にまで「営業時間(Enterprise項目)」を追加してしまったのである。

「UIの修正だから」という油断

UIの微修正という認識だったため、コード差分の確認を徹底していなかった。内部で呼ばれているAPIのフィールドマスクに、1リクエストあたりの単価を数倍に跳ね上げる「爆弾」が紛れ込んでいるとは思いもしなかった。

4,000件程度の取得であれば以前の感覚なら100ドル程度で「無料枠内」で収まるはずだった。しかし、Enterprise項目を含んだリクエストは無料枠が極端に少なく(月1,000回)、それを超えた瞬間から容赦なく課金が積み上がってしまった。

終わりに

途中で異常に気づけたのは不幸中の幸いだったと言えるだろう。1万円という金額は、クラウドの従量課金の恐ろしさを再確認するための「授業料」である。

AIは超絶強力なツールであるが、最終的にコードの1行がどれだけのコストを生むのか、その責任を負うのは常に人間なのだ。

この体験の詳細は、noteでも公開しています。より具体的な失敗の記録はこちらからご覧ください。

noteで詳細を読む →

よくある質問

Google Maps APIの課金が爆発した主な原因は?

店舗情報の一括取得時に、Field Maskへ営業時間のようなEnterprise項目が混ざったまま大量リクエストしてしまったことが主因です。無料枠が少ないSKUを跨いだことで、以前の感覚よりかなり早く課金が積み上がりました。

Google Maps APIを個人開発で使う前に何を確認すべき?

最新の料金表、使うAPIのSKU、Field Maskに含まれる項目、無料枠、クォータ上限、アラート設定は最低限確認したいポイントです。特に「どの項目を取得すると単価が上がるか」を見落とさないのが大事です。

AIに実装を任せるときの落とし穴は?

UIの微修正に見える差分でも、内部で呼ぶAPI項目や取得範囲まで広げてしまうことがあります。コードが動くかだけでなく、課金・性能・セキュリティへの影響まで人間が確認する前提で使うのが安全です。

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