こんにちは、Karouです。KUKU BATTLE MASTERの開発は、2026年3月22日に始まり、3月27日にv0.3をリリースして一区切りとなりました。わずか6日間、48コミット。この記事では、その怒涛の開発プロセスを日ごとに振り返ります。
6日間で教育ゲームは作れるか?
答えはYESです。ただし、大きな前提条件があります——AIコーディングエージェントとの協業です。
KUKU BATTLE MASTERには、バトルシステム、手書き数字認識、30体以上のモンスター、7種類のゲームモード、実績システム、PWA対応など、個人開発としてはかなりのボリュームが詰まっています。これを1人で6日間というのは、従来の開発手法では到底不可能でした。Claude Codeとの二人三脚だからこそ実現できたスピードです。
Day 1(3/22)— 基盤構築
初日から怒涛の14コミット。プロジェクトの骨格を一気に組み上げました。
- 親ダッシュボード:子どもの学習状況を親が確認できる管理画面。学習時間、正答率、苦手な段の傾向をグラフで表示。
- 実績システム:25個の実績を定義。「初めてのバトル」から「九九マスター」まで、段階的な目標を設定。
- 練習モード:段別ドリル、ランダム練習、苦手克服の3つのサブモードを実装。
- 手書き数字認識の5段階進化:テンプレートマッチングから始まり、特徴量抽出、キャリブレーション対応まで段階的に精度を向上。
- AIモンスター生成スクリプト:Claude APIを使ったSVGモンスター自動生成パイプラインを構築。
- キャリブレーション画面:手書き認識の個人最適化機能。
1日で14コミットというペースは、Claude Codeに明確な指示を出し、生成されたコードをレビューし、即座に次のタスクに移る——というサイクルを高速で回した結果です。「考える」と「書く」が分離されることで、驚くほどのスピードが出ました。
Day 2(3/23)— バトル強化
基盤ができた2日目は、ゲームとしての面白さを一気に引き上げるフェーズでした。
- モンスターのリバランス:難易度カーブを調整し、初級から上級まで自然なステップアップ感を実現。
- ボス戦の穴埋め問題:通常のバトルとは異なり、「□ × 7 = 42」のような逆算問題を導入。
- BGM/SE音声システム:バトルの臨場感を高めるサウンドエフェクトと、集中を妨げないBGMを実装。
- 隠しボス追加:全ボスを倒したプレイヤーだけが挑める裏ボス。キー配置シャッフルという凶悪な仕掛けも。
この日を境に、「学習ツール」から「ゲーム」へとプロダクトの雰囲気が大きく変わりました。音が入るだけでこれほど印象が変わるのかと、改めてサウンドデザインの重要性を実感しました。
Day 3(3/24)— 大型アップデートとv0.1リリース
開発3日目にして早くもv0.1リリース。12コミットを重ねた、最も密度の濃い1日でした。
- 必殺技システム:正解を重ねてゲージを貯め、特殊問題で大ダメージを与える戦略的要素。
- SVGからPNGへの全面移行:パフォーマンスとブラウザ互換性を考慮し、モンスター画像をすべてPNG化。
- SEO対策:OGP設定、構造化データ、サイトマップの整備。
- PWA対応:Service Workerの実装により、ホーム画面追加とオフラインプレイを実現。
- 画像パイプライン構築:SVG生成からPNG変換、最適化までの自動化フロー。
- README作成:プロジェクトの全体像をドキュメント化。
v0.1の時点で、バトル、練習、手書き認識、実績、親ダッシュボードという主要機能がすべて揃っていました。「まず動くものを出す」——このマインドセットがあったからこそ、6日間で3バージョンをリリースできたのだと思います。
Day 4(3/25)— v0.2リリース
v0.1で基本を固め、v0.2では「もっと遊びたくなる」仕掛けを大量投入しました。
v0.2の主な追加機能
- サバイバルモード:間違えるまで続く耐久チャレンジ。集中力と正確性の限界に挑む。
- 難問デイリーチャレンジ:日替わり5問の特殊問題。mulberry32擬似乱数で全プレイヤー共通の問題を生成。
- 隠しボスの1日1回制限:レアボスの特別感を演出。「明日またリベンジしよう」という動機づけに。
- 苦手克服ナッジ機能:苦手な段が検出されると、練習を促すさりげない通知を表示。
- 連戦ボーナスシステム:連続でバトルに勝利するとボーナスポイントが加算。もう1戦やりたくなる仕組み。
- 実績の大幅拡充:さまざまなプレイスタイルを評価する実績を追加。
この日だけで4つの大機能を追加しました。特にデイリーチャレンジの設計には頭を使いました。サーバーレスで「全員共通の日替わり問題」を実現するために、日付文字列をハッシュ化してシード値にするアプローチを採用。技術的にシンプルでありながら、ユーザー体験としてはリッチなものになったと自負しています。
Day 5-6(3/26-27)— v0.3リリースと安定化
最後の2日間は、「作る」フェーズから「磨く」フェーズへの転換でした。新機能の追加は控えめにし、品質の向上に集中しました。
- 連続攻撃防止:バトル中に回答ボタンを連打しても二重に処理されないよう制御。
- 必殺技ボタンの非活性化:ゲージが貯まっていないときはボタンをグレーアウトし、誤操作を防止。
- 実績トースト表示の修正:実績解除時の通知が重なって表示されるバグを修正。
- 協力プレイモードの追加:2人で交互に回答して建造物を完成させるCo-opモード。
- 九九ロードマップの実装:マスタリー度の可視化機能。
地味に見えるかもしれませんが、こうした細部の磨き込みがユーザー体験の品質を大きく左右します。「動く」と「気持ちよく動く」の間には、想像以上の距離があるのです。
Claude Codeとの協業で学んだこと
6日間・48コミットの高速イテレーションを通じて、AIエージェントとの協業のコツが見えてきました。
- 小さな単位でコミット:大きな機能も小さなステップに分解して指示する。1つのコミットで1つの変更。これがレビューの質とスピードの両立に直結する。
- 明確な指示を出す:「いい感じに作って」ではなく、「この仕様でこのコンポーネントを実装して」と具体的に伝える。曖昧さを排除するほど、出力の品質が上がる。
- レビューは人間が行う:AIが書いたコードをそのままマージするのではなく、必ず自分の目で確認する。ロジックの正しさ、エッジケースの考慮、コードの可読性——この最終チェックは人間の責務。
従来の個人開発では、6日間で48コミットというペースは考えられません。設計、実装、テスト、デバッグを1人でこなす限り、1日5コミットでも上出来でしょう。AIエージェントとの協業は、個人開発者の生産性を劇的に引き上げる可能性を持っています。
今後の展望
v0.3のリリースでKUKU BATTLE MASTERは一定の完成を見ましたが、まだまだやりたいことは山積みです。
- さらなるモンスター追加:現在の30体以上に加え、季節限定モンスターやイベントボスを検討中。
- マルチプレイヤー対戦モード:リアルタイムで友達と九九バトルができる対戦機能。WebSocketを使ったリアルタイム通信の実装が技術的な挑戦。
- 学習分析の強化:親ダッシュボードにより詳細な分析機能を追加。週次レポートや成長グラフなど。
子どもたちの「九九マスター」への道を、もっと楽しく、もっとワクワクするものにしていきたい。KUKU BATTLE MASTERの冒険は、まだ始まったばかりです。